どんなクルマ?

日本人ならほとんどの人が知ってるトヨタのコンパクトカー「ヴィッツ」
初代から3代目に進化するまでの間のたった10年でヴィッツを取り巻く環境は大きく変わった。
初代は普通自動車のエントリーカー(最下位モデル)のような存在だったが、デュエットがパッソにモデルチェンジするとより多くのユーザーを獲得する車種になり、最大のライバル、ホンダフィットが現れた後、対抗するために2代目ヴィッツは、走り、内装の質感、装備面で他社のエントリーカーとは一線を画す1クラス上の存在へと進化。他社のライバルも進化していくなか2代目ヴィッツは、色あせないどころか、後から出たクルマよりも優れたところがたくさんあったクルマだった。


が!!しかし。リーマンショックの経済打撃や環境問題が注目されるようになり、燃費が良くて二酸化炭素も吐き出さないクルマでなければ売れない時代になった。そんな中、日本のコンパクトカー市場は、フィットの10・15モード24km/Lという燃費を超えなければ、価値が認められなくなった。
3代目となる新型ヴィッツの1300ccFFモデルはフィットと同じ24km/Lを達成、アイドリングストップパッケージというグレードは、26.5km/Lとハイブリットを除くコンパクトカーの中ではトップの燃費を手に入れた。今回ドライブした4WDモデルは、先代が16km/Lだったのに対して19km/Lと大幅に燃費が向上しているのもトピック。

今回のモデルチェンジも走行性能やフィーリングがかなり向上している。ベースグレードの「Fグレード」が本当に165/70R14という細いタイヤを履いているのか、疑うほど高速走行時やワインディングでの性能を発揮してくれた。しかし収納などユーティリティは先代よりも劣ってしまっている。これは街乗りでの使い勝手重視はパッソに任せて、ヴィッツはヨーロッパ車に対抗しうるクルマとしての基本性能で勝負した結果なのだろうか。このことは、2代目でいたるところに収納スペースを設けたヴィッツに親しんだユーザーからは、不評だろう。確かにヨーロッパ車はいい。でも日本では、道路状況もいいし、ほとんどのドライバーは峠道や高速道路の走行性能をこのクラスに求めていないのも事実。細かいところまで気を配る精神の日本らしさを失ってまで、ヨーロッパ車に追従する必要があるのか?っと感じてしまった。

格好良くなったよ
精悍で格好良くなったヴィッツ

 

YOKOHAMA IG30
タイヤサイズは165/70R14。こんな小さいタイヤで、しかもスタッドレスタイヤなのにワインディング走行でも素晴らしい安定感を発揮してくれた。ちなみにタイヤはヨコハマのIG30。トヨタレンタカーでは、国産の冬タイヤを履いているから雪道でも安心で快適にドライブ出来る。

 

収納が少ない
先代がいたるところに収納があったのに対して、今回のヴィッツは収納があまりない。シンプルなデザインのヨーロッパ車を見習ったのだろうか・・・助手席の前には細いくぼみがあり、そこにモノが置けそうだが、携帯電話を置いてみるとカーブで床に落ちてしまった・・・